私は、五年保育で七光保育所に通いました。
卒園してから二十年以上たっても、保育所時代の思い出はいくつも覚えています。
例えば、お散歩で行った廃バスのある小さな公園、川遊びや芋掘り、餅つきや遠足などこうして振り返っても様々な思い出があります。
今、私は二児の母親です。島根から離れ、地方都市での子育ては環境的になかなか厳しいものがあります。人口の多い都市ですから、待機児童問題は勿論、保育園に通わせ始めてからも度々悩むことがありました。
一つに、園児の多い保育園故に園児一人ひとりに手も目も足りないこと。致し方ない事ではありますが、親としては保育園での経験は安心安全であって欲しいという思いがありました。
また一つに、狭い住宅街の中で自然に触れ合える機会がなく、いつも狭い園庭で窮屈そうに遊ぶ姿を見たときでした。こうしたことを不安に思うのも、自分自身の七光保育所での楽しく豊かな経験があったからだと思います。
田舎の保育所、という以上のものが七光保育所にはあると思います。恵まれた自然環境や、先生や地域の方々の温かい触れ合いは大人になった今も何よりの経験です。
そして、私が七光保育所の卒園生として一番嬉しかった出来事。それは、高校の卒業式に、机に置かれていた一枚の紙。そこには、七光保育所時代に私が書いた将来の夢の絵が置いてありました。
当時の担任の先生が大切に保管し、高校卒業という門出に贈ってくれたその絵は、懐かしく、また新生活に向かう私への小さな力にもなりました。
素敵な贈り物を贈ってくれた先生。私は、その絵に描かれた夢を叶えることができました。
最近、子供が私の保育所時代の話を聞きたがります。沢山の思い出話しをします。そのどれもが楽しく温かいものばかりです。そうした思い出を作って下さった先生方や地域の方、家族に感謝しています。
これからも、沢山の素晴らしい経験を子供たちへ。遠い地より応援しています。